伝統工芸作家というと、なぜか「美味しんぼ」の海原雄山(の顔)が思い出された。和装で強面でこだわりが強く、自説をなかなか曲げようとはしない。あまつさえ、すぐ怒る、という感じ。
ところが奈良市にある「なら工藝館」でお会いした奈良漆器作家の八尾さつきさんは、そのイメージを覆すウラ若き華奢な女子であった。人生で初めて逢う漆器の作家が八尾さつきさんで良かった。海原雄山だったら聞きたいこともなかなか聞けなかったと思う。

 

八尾さつきさんのお話しを伺って「温故知新」という言葉を思い浮かべました。まだ若手といってもよい八尾さんは一見「伝統工芸作家」らしくない作家さんです。しかし、八尾さんは地道に基礎を学び、伝統的な技を理解・習得し、そして新たな世界観を創造していこうとされているしっかりとした作家さんでした。柳宗悦は「用の美」という見方を示しましたが、奈良漆器には機能美を超える上級の「美」があるように感じました。普段あまり伝統工芸品を気に留めることはありませんでしたが、今日から少しずつでも漆器をはじめとする工芸品に意識をしていきたいと思います。

 


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