コロナの影響が様々な業界に影を落とす中、不動産業界もまた大きく動いている。
この業界は住宅やオフィスビル、土地開発や投資、リフォームやシェアスペースなど、関わる業種の裾野は広いが、不動産取引には古い慣習も残り、紙の書類と電話の交渉が業務の手段という企業もいまだ多い。そんな不動産業界にDXの波が押し寄せ、大きく変わろうとしている。
そこで、DXの取組みによってコロナ禍の状況を乗り越えようとしている不動産業界とそれを取り巻く需要について取材した。
取材先は次の3社である。
- 不動産業界におけるDXのベンチャー企業estie 平井瑛CEO
- オフィスコンサルティングを企業に提供するオフィスバンク 小久保健一氏(オフィス事業本部・本部長兼大阪支店支店長)
- 賃貸仲介業のハウスコム 安達文昭氏(サービス・イノベーション室長)
取材の中で印象に残ったのは、estieの平井瑛氏が語っていた「テックを使いこなすのはあくまで人間」という言葉だった。
最先端技術を駆使する企業のトップが「人と人の信頼関係」を重要視しているのは意義深い。
不動産業界がDXに期待することのひとつが、「人材不足」の中での業務効率化だ。これまで紙をベースとしてきた不動産業務の煩雑さを軽減することで従業員の生産性を高めることができるだろう。
これは不動産業界だけにとどまらず、DXによって働き方が変化していくことを示している。