オーダーメイド万年筆、その人気の秘密

誰もがスマートフォンでコミュニケーションを済ませ、文字を書くことを忘れてしまっている現代に、手作りのオーダーメイド万年筆が大変人気を呼んでいます。その人気の秘密はどこにあるのか、有限会社万年筆博士の代表取締役 山本 竜様にお話を伺いました。

万年筆をオーダーメイドするというのは、どのようにしているのですか?

「当社では万年筆を作っていますが、特徴として、お客様一人一人の『書き癖』を表すカルテを作成しています。すべての工程を一人の職人がカルテどりから製作までやっているのは、世界でも当社だけだと思います。」

全世界で唯一、というのはすごいです。でも、「書き癖」というのは何ですか?

万年筆博士 山本竜代表「ペンを持つ位置、立てる角度や傾斜、筆圧、書く速度など、人によってものを書く癖は異なるんです。ところが、万年筆というのは、ボールペンやシャープペンシルと違って、方向性が決まっている器具(道具)ですから、ちょっと角度や傾斜がずれたりすると、書けなかったり、書き味が悪くなってしまいます。昔は使い続けて馴染ませたものですが、なかなか馴染むものでもありません。そこで、最初から使う人に合わせた万年筆を作ってはどうかと思いました。自分の書き癖をカルテに記入してもらって、それに合わせて設計をしていきます。具体的には、軸の重さや長さ、ペンポイントの書き味、表現力、インクの出るスピードに至るまで、様々な調整ポイントがあります。こうした結果、ただ単なる手作りというだけではない、完全なカスタムメイドの万年筆が完成するわけです。」

万年筆でうまく書けないストレス、私も経験したことがありました。私は紙が好きなので、自分の癖に合わせて書ける万年筆があったら、すごくうれしいですね。
完全な100%カスタムオーダーの山本さんの万年筆は、なんと月に約12本しか作れないものとのこと。大変な希少品ですね。