荒川区大好き!地元の人に愛され続ける建設会社に吹く新風

【三芳建設株式会社
常務取締役 南雲史成氏インタビュー】

荒川区に、元凄腕の舞台演出家がいる建設会社があると聞きました。
人生のステージを建設会社に移した三芳建設株式会社 常務取締役 南雲史成さんに、61年の歴史を誇る地域の信頼の厚い建設会社をどう演出していくのか、お話を伺ってきました。

個人のお客様は、半数以上が荒川区の人々

まず、三芳建設さんはどんな会社なのでしょうか。

三芳建設株式会社常務取締役 南雲史成氏インタビュー「うちは地域密着型のゼネコンです。お客さんは荒川区中心ですが、建物に関することだったらなんでも引き受けます。建築、修繕、改築、すべてやりますし、鍵の交換のような細かい工事から、大きなマンションの建設まで、全部やっています。
2017年に東京都内でひょうが降ったことが話題になったのを覚えていますか? あの時、この辺一帯は被害がひどかったんです。ひょうでテントの屋根が破れてしまったとか、網戸が破れたとか、そんな被害がたくさんあって対応に追われました。すごく忙しくて、もう喉から手が出るほど人手が欲しかったです。」

普段はどのようなお客様がいらっしゃるのですか?

「個人のお客様ですと、やはり荒川区にお住まいの方が半数以上。法人のお客様では、首都圏一円が営業エリアになります。横浜の鶴見で工場をお持ちのお客様もおられますし、支店がある鹿島だけという場合もあります。」

個人のお客様のほうが多いのですか?

「本社と支店では少し違うのですが、本社は、大体個人のお客様が中心で、時折、東京都や荒川区の公共工事の仕事を頂いたりもします。」

支店もあるのですか?

「茨城県鹿島に支店があります。鹿島港を中心とする法人のお客様のプラントに常駐させてもらっていて、修繕から、新しく作ったりなども含めてやらせてもらっています。
あとは不動産業もやっていますので、土地を扱わせてもらったり、賃貸マンションの仲介もやりますし、最近は、ウイークリーマンションなど短期でお貸しすることもしています。」

南雲さんはヨーロッパで仕事した時に、ウイークリーマンションに1カ月半ぐらい住んだことがあったそうで、その経験からウイークリーマンション事業を立ち上げたとのこと。最低でも4人は利用できるようなファミリータイプの広い部屋を貸しているそうです。

建設に活かされる「演出家の目」

ヨーロッパでは、どのようなお仕事をされていたのですか?

「前の仕事は、舞台の演出家でした。」

え?? 具体的にどんなことをされていた?

「簡単に言えば、映画監督みたいな感じですね。指導もして、音楽から、照明から、舞台衣装から、美術から、全部決める。」

榎並千陽す、すごいですね! 演出家さんと建設というのは、全然違う路線だと思います……。
南雲さんは日本大学芸術学部から劇団に入り、演出家をしていましたが、その後、東京演劇集団風に入団したら、早々に、「お前、フランスで芝居やってこい」と言われて、渡仏してお芝居をしていたそう。
今は、お芝居には携わってないのですか?

「今はなかなか時間が作れなくて。劇団に顔は出しますけど、もう退団していますので。今の仕事が落ち着いたら、二足のワラジでも履こうかなとは思っていますけど。」

もしかしたら、いつか荒川区に劇場を作る仕事に南雲さんが携わることもあるかもしれませんね。
でも、そのように演出家としてヨーロッパに行った時に経験したことが、今に活かされているんですね。

「演出家というのは人を見る仕事なので、そういう意味では、今の仕事にすごく活きているというか、直結していますよ。社内でも人を見たり、お客さんがやりたいところについて見て行ったり。」

目に見えないこだわりが信頼につながる

三芳建設さんがこだわっていることや、他にはない特徴はありしますか?

「迅速な対応ということは心がけています。お電話をいただいたりご依頼をいただいてから、とにかく早く私たちのほうで動いて、お客様に満足してもらう。それは一番心がけていることです。それでお客さんに喜んでもらうことも大事なんですが、もうひとつは、社員ひとりひとりの人間力をどう高めていくかということを大事にしています。社内の風通しをよくすれば、社員の人間力が高まっていきます。だからコミュニケーションには気を使いますね。」

今までお付き合いされたお客様からどんな感想や、反応とかありましたか?

「目に見えるサービスとは異なる部分で、ちょっとした挨拶を忘れないとか、毎朝ちゃんと周辺を掃除するとか、そういったことで社員を見てくださって、お礼を言われたり、喜んでいただけます。すぐに対応してくれた、ということは必ず喜んでいただいていますね。」

そういうことは、信頼につながりますので、すごく大きいですよね。うれしい反応ですね。
ところで、荒川区で家を建てたいという依頼は、年間で何件ぐらいあるのですか?

「『建てたい』だけだったら、年間10件もいかないですよ。そこから実際に建てるのは数軒で、最近は内装のリノベーション改修がとても多いですね。」

経営者はとても孤独

三芳建設さんが創業されてからの歴史について教えてください。

「創業は私の祖父。今は83歳で、時々出社するぐらいですが。」

南雲さんのお祖父様である南雲芳夫さんは昭和8年生まれ、新潟の農家のご出身。小学校高学年の時に終戦を迎え、中学卒業後に大工になってひと山当てるという大志を抱いて、新潟から上京してきたそうです。

「終戦後の日本の夜明けというか、日本がこれから動くというようなタイミングだったんでしょうね。きっと、子ども心にも何かを思ったんでしょう。」

大工に弟子入りし、夜学に通わせてもらいながら働いていたそう。「俺は寝ずに勉強した」というのは芳夫さんの口ぐせだったそうですが、本当に寝ずに勉強したのはテスト直前の時だけだったらしいです。そして独立してできたのが南雲建設。5年後に今の三芳建設になったそうです。60年以上の歴史がある建設会社です。

三芳建設株式会社常務取締役 南雲史成氏インタビュー「私が幼い頃は高度経済成長の終わりで、会社にもっと人がいました。今の倍近く、60人ぐらいですね。たくさんの社員をどうマネジメントするかということがわからないまま、必死になって会社を大きくして、お客様の信頼を維持し続けてきたのは、大変だったと思います。三芳建設といえば、荒川区トップと言われていますので、そこまで地域の皆さんに知っていただいていることは本当にありがたいことです。多くの方に知っていただけているのは、祖父である弊社の会長の努力の証だと思います。」

南雲さんが働いてきて、大変だった時期はありましたか?

「大変というか、やりがいを感じる部分はたくさんあります。社内のことについては大変だとは思ったなくて、正直、劇団で演出家をしていた時のほうが厳しいことは多かったから、『ぬるいな』と思っていました。
榎並さんはこうして経営者にインタビューされているから、よくご存じでしょうけれども、経営者や後継者というものはとても孤独なんです。つねにいろんな人から見られている。そういう意味では演出家と同じで、役者からもスタッフからもつねに見られていて、プレッシャーをかけられる演出家も、すごく孤独な存在なんです。演出家も経営者も、相談できる相手がいない。周りからは、同僚と見られませんから。」

仕事とは離れた相手に悩みを打ち明けたりはしませんか。

「商工会議所や法人会には、そういう場がありますね。異業種交流で経営者同士が話し合ったり、ちょっとお酒飲んだり。でも僕はどちらかというとインドア派で、飲むのも好きではないんです。」

南雲さんは、あまり社交的ではないほうですか。

「見た目は社交的なように見えるでしょう。そこそこ普通にやっているんです。でも、お互いを高めあえる仲間を見つけるには、そういった場もすごくいいと思っています。久々に会って言葉を交わしたり、仕事にかぎらず、お互いにプラスになることがあったり、そういう仲間はおかげで何人かできました。」

うちはゼネコンの中ではかなりホワイト

これから、三芳建設さんのことをどういう人に知ってほしいですか?どういう人に出会いたいですか?

「社会に早く出てしっかり仕事をやりたいたいと思っている若い人たちには、どんどん出会っていきたいですね。建設業界の固定概念をいったん崩して、うちに来てもらいたいという思いがありますね。今後、若い人たちがどんどん減っていきます。職人さんの中で高齢の人たちの割合が上がっていく状況はもう見えています。建設という、みんなで物を作る仕事は、舞台でも何でも変わりません。若い人は、自分が認められて輝くことばかりやりたがりますが、それは長続きしないと思います。僕に言わせれば、SNSでチヤホヤされているなんて、『仲間うちだけでやれよ!』と思うんです。」

他には、どういう人が御社にマッチすると思いますか?

「単純に素直な子ですね。体力がなくても、素直な子であれば、やっぱり持続します。荒川区は下町ですから、新しい子でもぱっと受け入れてくれる環境がちゃんとあるんです。あとは本人のやる気次第ですよね。もちろん。」

履歴書を見なくても、言葉と目と表情で、どんな学校生活を送ってきたのかがわかるという南雲さん。目から受け取れる情報はとても大きいそう。

「ちゃんと目を見てお話をすれば、必ず相手もわかってくれるよ、ということを若い子に言ってあげたいです。私が入社してから、この数年で若い人を6、7人増やしたので、若返りもできてきたんです。」

建設業には3Kのイメージがありますが、最近では女性の現場監督さんなども増えてきていますし、誤解も多いと思います。

「うちではみんなが現場監督なんですけどが、現場監督の仕事というのは全然3Kではなく、どちらかというとディレクターの仕事です。そういう誤解はちょっと悩ましいですよね。」

テレビCMでも女性を起用したりしてイメージも変わってきているとは思いますが、「建設の仕事をどうしてもやりたい」という人は少ないかもしれませんね。

「おっしゃる通り、ガテン系は嫌われてしまいますが、そこまでガテン系の仕事ではないんですよ。給与面でも、資格を取れば上がっていきますし、いろいろな手当もありますから、手取りが僕よりも多い人も結構います。労働環境にしても、福利厚生すべて含めて、残業もそこまでありませんので、うちはゼネコンの中ではかなりホワイトだと思います。」

三芳建設さんでは、今後どのような事業に力を入れていかれるおつもりでしょうか?

「ウイークリーマンション事業は始めて3、4年経ってきているので、もっと力を入れていきたいと思っています。ずっと継続して歴史もある建設業の中でも、新築にはもっと力を入れられるところがあると思って、今いろいろなことを模索しているところです。」

伝統を守りつつも新しい風を吹かせようとしている南雲さんの静かな情熱が、榎並にもひしひしと伝わってきました。そしてもう一つ榎並が感じたのは、南雲さんの荒川区に対する愛です。
今のうちにここに住んでおくといいよ、というお勧めの区はありますか?

「ぶっちゃけていいですか。それは荒川区です!超穴場ですね。」

荒川区のどのあたりがいいんですか?

「西日暮里駅で降りられたことありますか? あの駅は山手線の内側と外側がはっきり分かれているんですが、やはり内側のほうが高くて、外側になるとガクッと安くなるんです。だから、西日暮里駅周辺の山手線の外側は、立地的にもいいし、結構おいしい地域です。本当にお勧めします。若い人でも、子育てをするにも、もう荒川区が一番です。手当も充実していますから、最近、わざわざ越してくる方も増えているんですよ。」

南雲さんの荒川区への愛を感じませんか? 地域密着型の建設会社で、荒川区の人たちに愛され育てられてきた会社ですから、当然のことかもしれません。
榎並も、将来おうちを建てる時には、荒川区で三芳建設さんにお願いしたいなと思いました!

インタビュアー 榎並千陽

三芳建設株式会社常務取締役 南雲史成氏インタビュー

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